お金は田舎から都市に流れている・「日本一の田舎づくり計画・島根県」
平成18年秋、遊牧民倶楽部(森協ネットワーク)事務局長の青山静佳さんが間に入って下さいまして、島根県益田市に講演に出かけました。
その折り、島根県関係者(政策企画局長さんほか)から、一冊のレポートをいただきました。
レポートの表紙には「日本一の田舎づくり計画」とありました。
読み進めるうちに、強く印象に残る文章がありました。
先ず、この文章をご紹介します。
そこには、次のように書かれていました。すなわち、「県内の高齢者が公的年金として受け取る社会保障給付費は年間3,000億円を超えますが、県民所得の約4分の1を占める莫大な富を島根県の高齢者はどのように使っているのでしょうか。日常生活は切りつめて、かなり多くを"老後"の生活のため貯金に回し、多くは都会に住む子どもや孫への小遣いにも相当費やされます。島根のお金が次々と流出していき、高齢者が亡くなった場合、残念なことに残された財産は都会地に住む相続者へ流れ出ることになります」(第2章
2-4-2 日本一の田舎のための基金)ということであります。
これを読みまして、なるほどと思うと共に、日本各地の田舎に共通することであり、この現実に目を塞いでいては、地域格差是正の言葉も空しい響きになりかねません。
このレポートを読み進めるうちに、多くの方々に、大変参考になることが一杯つまっていることが分かりました。
全体の目次と全文が掲載されている島根県のホームページをご紹介します。(以上、森協ネット代表・小澤普照 記)
日本一の田舎づくり計画 目次
はじめに
第1章 少子高齢社会の展望と島根県が歩むべき道
1−1 少子高齢社会を展望する 06
1−1−1 確実に進む少子高齢化 06
1-1−2 少子高齢県島根のとるべき姿 06
1-2 都市中心主義の限界 07
1−2−1都市が栄え、農山村は疲弊するままでいいのか07
1−2−2新たなシステムをめざす 07
1−3 新たな価値観の創造 08
1−3−1島根の存在意義 08
1−3−2 島根のライフスタイルを世界に提案する 08
1−4 田舎軸の構築と「日本一の田舎づくり」に向けて 09
1−4−1都会と田舎 09
1−4−2 田舎軸を構築する09
1-4−3 生と死を見据えつつ日本一の田舎をつくる10
第2章 少子高齢社会を構築する田舎軸の論点
2−1新しいシステムを構築するための田舎軸の戦略12
2−1−1システムがめざす方向12
2−1−2 田舎軸の戦略12
2−2 「攻め」と「守り」を具体化していくための論点13
2−2−1新たな価値を発信する上で必要なもの13
2−2−2 公助から共助の時代へ13
2−3 攻めの観点からの取り組み(人と土地の流動化)14
2−3−1人口移動障壁をなくす14
2−3−2 本物志向の産業興し14
2−4 守りの観点からの取り組み(共助の仕組み)15
2−4−1新しいネットワークをつくる15
2−4−2 日本一の田舎のための基金16
2−5 実現に向けての覚悟と担保17
第3章 日本一の田舎づくりに向けた新たな仕組みの提案
3−1流動性に着目した新たなシステムの提案 20
3−1−1 提案1 人の流動性を高める仕組み20
3−1−2 提案2 不動産の流動性を高める仕組み 22
3−2 共助に着目した新たなシステムの提案 25
3−2−1 提案3 共助を進めるハードの仕組み 25
3−2−2 提案4 共助を進めるソフトの仕組み 28
3−2−3 提案5 地域や世代を超えた共助の仕組み 32
関連資料
少子高齢社会を支える新たなシステムづくり検討委員会
岡田 昌平 島根県商工会連合会専務理事
魁生由美子 島根県立大学総合政策学部助教授
河部 真弓 NPO法人結ま−るプラス理事長
佐伯 徳明 農業経営者
横田特定農業法人ネットワーク代表幹事
作野 広和 島根大学教育学部助教授 【座長】
高尾 雅裕 山陰中央新報社報道部行政グループ長
山内 純治 (株)島根CSK管理部長
少子高齢社会を支える新たなシステムづくりワーキング会議
松江市 市長室定住地域振興課 湯町信夫
健康福祉部保健福祉課 岡田等
美郷町 総務課 田辺積
企画課定住推進室 田中昭典
企画課 高橋武司
海士町 健康福祉課 黒田 正人
島根県 政策企画局政策企画監室 早弓太
政策企画局統計調査課 千代延明
地域振興部地域政策課 伊藤誠
地域振興部中山間地域研究センター 藤山浩
健康福祉部地域福祉課 青木陽子
健康福祉部青少年家庭課 鈴木康之
高倉和夫
健康福祉部青少年家庭課少子化対策推進室 長岡隆
山口 勇
健康福祉部高齢者福祉課 槻谷敦文
島地徳郎
加納克則
石岡博
原史行
事務局 高齢者福祉課に置き、高齢者福祉課職員及び青少年家庭課少子化対策推進室職員
により構成