収炭率向上策について(伏せ焼きの場合)のヒントを愛媛大学鶴見武道先生からいただきました(平成18年6月19日・小澤))
@窯の縦横比率は、2対1が良い。畳一枚程度の大きさを基本と考えること。
A周りに詰めた鹿沼土は、通気生が良すぎるかも知れない。他の土にかえることは良いと思う。
B窯の中の煙の流れを円滑に行うには、中央の溝はない方が良い。溝は埋めて、敷き木として、直径7、8センチの木をレールのように、縦に二本並べて置く。間隔はなるべく広くとる。
窯底部の勾配は、水平で良い。煙突に向かって下り勾配をつけるのは、上級者向きであると同時に、煙の流れが遅くなるので、焼くのに時間が掛かり、収炭率も下がる一因となりかねない。
むしろ先上がりの勾配をつけると早く焼ける。
C点火前に、上げ木を燃して温度を上げることは、炭焼き時間を短縮し、収炭率を上げることにつながる。最上段の材料が燃える位、熱しても構わない。
D一般的には、炭化開始後、焚き口を絞り過ぎる傾向があるが、あまり絞らないで焼き上げるのが良い。炭化時間が短くて済む。
E炭焼き時間の目安としては、小型の窯で、焚き付けに1ないし2時間、炭化に6ないし8時間くらい見当で良いと思う。
F失敗をしないで誰でも無難に炭を焼きたいのであれば、むしろドラム缶利用の炭焼き方式を勧めたい。マニュアルなどは提供する。
以上を参考にして、上越実践塾で、平成18年6月にスギ間伐材を用いて炭焼きを実行しました。
特に、手作り窯(望岳1号)の底部の溝を埋めるなどB及びCについて実行しましたところ、炭焼き時間及び収炭率について改善されました。
詳細につきましては暫くお待ち下さい。(小澤)